モロッコ美容の原点といっても過言ではない『ハマム』。
ハマムはモロッコ式の大浴場ではありますが、日本のように湯船につかるのではなく、蒸し風呂(スチームサウナ)のことをいいます。
モロッコ人は普段、週に1~2回くらい通うほどみんなハマムが大好き。
特に女性はヘンナやサボンベルディ、ガスールやアルガンオイル(←日本でも聞いたことありますね!)などのモロッコ美容に欠かせないケアグッズで全身をトリートメントをします。
それもモロッコの大地や植物から生まれた最高に贅沢なナチュラルなもの。
同じようにあるいはそれ以上に過酷な状況下で育った植物たちのパワーをモロッコではスキンケアやヘアケアの原料としてきました。
高級ハマムで全身エステとマッサージでリラクゼーションもモロッコ旅のひとつの楽しみですが、地元の人たちが通うハマムでは一味違う面白さがあります。
モロッコ人女性の美の秘訣が詰まった地元のハマム。
その中では一体何が起きているのか?
この旅のなかで忘れられないユニークな体験のひとつとなるでしょう。
ここでは入り方や手順、注意点など詳しくご説明します。
モロッコの中でも限られた場所でしか採ることができない粘土。保湿力が高くミネラル豊富なガスール泥パックは顔にはもちろん、ヘアパックにも使えます。
毛穴もスッキリ!ガスールの泥パックは私も週2くらいで必ずやってるよ!本当におすすめだから是非試してみてね。
もくじ
そもそもモロッコのハマムとは?
公衆浴場として、市民が地元の浴場で自分を浄化し、良好な衛生状態を保つために2000年以上前にローマ帝国によって作られました。
トルコ風呂,ローマ風呂,スチームサウナとも呼ばれます。
その後地中海沿岸,中東にまで広まりますが、現在では各家庭のシャワーに入ることが多くなり、今でもハマムに定期的に通うという生活習慣が根強く残っている国はモロッコとトルコくらいだそうです。
モロッコのハマムは温度の違う3つの部屋で構成されています。
入り口に近いほうから低温→中温→高温とわかれていますが、普段からお湯に浸かっている私たち日本人にとっては高温の部屋でもちょうど良いくらい。
このタイル張りの各お好きな部屋であかすりをしたり、マッサージをするんですね。
もちろん途中で部屋の移動もOK!
日本のように素っ裸にはならず、下着を履いた状態で入るという、日本人にとってはちょっと??な部分が多いので、まずは持ち物などの行く前の準備段階からご説明します。
ハマムに行く準備をしよう!
持ち物
- タオル(バスタオル+@)
- シャンプー類
- 着替え
- ビニール製のサンダル
- ケッサ(アカスリ用ミトン)
- 小さなバケツ(手桶)
- ビニールマット
- ビニール袋
- サボンベルディ(サボンノワール)
- その他アルガンオイルやローズウォーター,ヘンナ,ガスールなどの美容グッズ
- お金
- ミネラルウォーター
日本で大衆浴場に行くときとそれほど大きな差はありませんが、若干「え??」というものもありますので、ひとつずつご説明していきます。
①タオル(バスタオル+@)
モロッコの人たちはバスローブ+タオルですね。ドライヤーなどの設備がないところがほとんどですので、頭にタオルを巻いた状態でホテルに帰ります。タオルが恥ずかしければターバン的なもので巻くとオシャレに見えますね。中級クラス程度のハマムだと電源はあるのでドライヤーを持ち込めば使うことはできます。
私は冬ならフード付きの上着、夏なら薄いストールのようなもので巻いちゃいます。
②シャンプー類
シャンプー,トリートメント,石鹸,ボディソープなどはないので、必ず持って行きましょう。
③着替え
日本のように素っ裸で入ることはなく、下だけショーツを履いた状態で入ります。私は履いていたショーツで入ることに抵抗があるので、いつもビキニの下だけ持って行き、現地で履き替えて入ります。下着で入ってももちろんOKですよ。
④ビニール製のサンダル
これは必ずしも必要なわけではありません。ハマムでは特にココが洗い場!という設定はなくハマム内のどこでも洗って良いのです。そこを素足で歩くことに抵抗がある方はお持ちください。私はいつも持って行きます。
⑤ケッサ(アカスリ用ミトン)
これは必ず持って行って下さい。町のハヌート(小さな商店)やスークでもどこでも買えます。品質にもよりますが、10~20DH程度で購入できます。質が良いのは気持ち良いくらい垢が取れるので、是非良いものを買ってくださいね。と言っても高くても20DHくらいです。
⑥小さなバケツ(手桶)
ひとりひとつに水道があるわけではなく、大きなバケツにお湯を貯めて体を流します。大きなバケツはハマムで用意はありますが、そこから汲み取る小さな手桶はありません。こちらも現地のスークで10~20DH程度で購入できますが、外国人なので「ない」と言えば貸してくれると思います。
モロッコの伝統的な手桶はこんな感じのとても素敵なものです。スークのどこにでも売られているので、こちらを購入して持ち帰るというのもおすすめです。
インテリアとして飾ったり、小物入れにしても◎
⑦ビニールマット
④のときでも説明しましたが、床はあちらこちらから汚水が流れてきます。地べたにそのまま座ることに抵抗のある方はビニール製のマットをお持ちください。こちらもスークに行けばハマム用のマットが売られています。アラベスク柄やゼリージュ柄の可愛いモノがあり、ビニール製なので持って帰ってもいろいろ使えますし、お土産にも喜ばれると思います。
⑧ビニール袋
濡れた衣類を入れたり、シャンプー類を入れたり必要になります。
⑨サボンベルディ(サボンノワール)
ジェル状の黒い石鹸。スークでは量り売りで購入できますが、ハヌートやハマムでも1回分程度の小袋に入ったモノを購入できます。0.5DH。
⑩その他アルガンオイルやローズウォーター,ヘンナ,ガスールなどの美容グッズ
モロッコのハマムはルールというものがほとんどありません。毛染めや毛剃りをする人もいるくらい。是非お好きなグッズを持っていってくださいね。私はガスールと入浴後につけるアルガンオイルを持っていきます。
⑪お金
ハマムのランクにもよりますが、庶民派ハマムで入場料が10~20DH程度、アカスリやお湯を運んでもらう場合はその方に40DH~、荷物を管理してくれる女性に5DH。多くても100DHあれば十分足りますね。
⑫ミネラルウォーター
ハマムのあとはしっかり水分補給をしましょう。ときどき女性の方が飲み水を持って歩いていますが、コップは回し飲みですし、何より水道水なので飲まないようにしてください。
フランス発のオーガニック認証コスメブランド
高品質のアルガンオイルは洗顔後、化粧水のブースターとしての使い方がおすすめ!肌の奥まで浸透しハリとつやのあるお肌に導いてくれます。
奇跡のオイルと呼ばれるアルガンオイル。是非お試しください。
ビオオイル アルガンオイル 50mL 3,600円(税込 3,960円)ご購入は正規店で。
注意点
貴重品とお金の管理
庶民派ハマムは鍵付きのロッカーはありません。管理している女性に預けることになりますので、必要以上の貴重品は持っていかないようにしてください。
どうしてもケータイを持って行く場合は「ここにケータイが入っているから気をつけて!」などとあえて女性に伝えた方が良いですね。
営業時間
最近は男女別のところが増えましたが、昔ながらのハマムや田舎のハマムは時間帯で男女が分かれていることも。
男女別ではないハマムは大体午前中から夕方までは女性。
早朝と夜間は男性となることがほとんどです。
女性であれば、昼間の時間帯に行けば確実ですね。
準備が出来たらハマムへGO!
準備が整ったら早速ハマムに行きましょう!
え?ハマムどこにあるの?
よっぽどの田舎ではない限り、基本的には徒歩圏内で行ける範囲にはあります。
『hammam』と看板に書いてあったり、字が読めない人が多いモロッコ人なので、大体入り口付近にわかりやすい絵が描かれています。バケツの絵とか、水道の絵とか、、、
滞在されているリアドやホテルのスタッフに聞いてみてもよいですね。
ハマムに到着したら
(1)受付があればそこでお金を払う(受付が中にあることも)
(2)ショーツだけになって、(バスタオルだけ出して)不要な荷物をカウンターに預ける
私はここでビキニのショーツに履き替えます。
素っ裸にならないように気をつけて!
(3)サンダルを履いてシャンプー類,美容グッズを持っていよいよ中に入ります
浴室に入ったら
中はスチームサウナになっていますが、日本のサウナのような高温ではないので安心してください。
手前から低温→中温→高温と3つの部屋にわかれています。中温のお部屋が一番混雑しています。
(1)3つのお部屋の好きな場所を確保して、ハマムマットを敷きます。
私はいつも高温の部屋から入り、熱くなってきたら中温のお部屋へ移動してます。
(2)大きなバケツを3個くらい用意して、お湯と水をそれぞれ入れて、もうひとつのバケツに温度調整しながら貯めます。
これは行ったり来たりかなり面倒なので、あかすりをしてくれる女性にそのままお湯運びも頼んじゃいましょう!
(3)サボンベルディを体に塗りつけ、しばらく放置。
私は顔にも塗っちゃいますが、肌が弱い方は体のみにしてください。あとサボンベルディが目に少しでも入ると開けられないくらい超絶痛いです。ご注意を。
(4)しばらくすると女性がやってきてゴシゴシとアカスリをやってくれます。
かなりパワーがありますので、痛いときは『痛い!』とジェスチャーで伝えてくださいね。
しばし、女性の言いなりで体の向きを変えたり気持ちよいアカスリを堪能してください。
(5)アカスリが終了したら、あとは自分のお好きなようにしてください。
体洗ったり、シャンプーしたり、ガスールで泥パックしたり、、、
図々しいモロッコ人がシャンプー貸してと言ってくることもありますが、ボトルごと渡すと空っぽになるほど使われるので、手に1回分入れてあげてくださいね。
(6)すべて終了したら、私はいつもマッサージしてくれた人に、カウンターから出しておいたタオルを持ってきてもらいます。そのまま脱衣所に戻ってももちろん大丈夫です。
脱衣所で
カウンターから荷物をもらって帰る準備をしてください。
私はハマムのあとは、ローズウォーターやアルガンオイルを塗りたくってます。
特にアルガンオイルはおすすめなので、是非試してみてくださいね。
日本で購入できるメルヴィータのアルガンオイル。
ビオオイル アルガンオイル 50mL 3,600円(税込 3,960円)
アカスリしてくれた女性(40DH~50DH)とカウンターの女性(5DH)にお金を払って帰ります。
ちなみにアカスリもお湯運びも全部自分でやれる!という方は女性に頼む必要はありません。
数人で来る人たちは背中などはお互いにやり合いっこしてます。
モロッコのハマムはディープな体験
モロッコの庶民派ハマムではかなりカオスな光景を見ることになります。
海外旅行に行ってもなかなか大衆浴場に行くことはないですからね。
貴重なディープな体験をすることができます。
庶民派ハマムには基本的にほとんど外国人はいないので、入るのに相当勇気が要ると思いますが、入ってしまえばそこはモロッコ人女性の憩いの場。
ローカルの人たちとのコミュニケーションも旅好きな皆さまにとってはきっと面白いはずです。
私はそのときの気分でどちらにも行きますが、面白さでは断然庶民派ハマムですね。
旅行者の方にはチャンスがあれば、是非どちらも体験して欲しいです。
高級スパで至福の時間を過ごすのも旅の醍醐味ですから。
フェズでおすすめの安心【中級ハマム】
ただやっぱり荷物や衛生面が心配、という方は中級ハマムに行くことをおすすめします。
私が普段フェズで行っているハマムはこちらです
↓ ↓ ↓
高級ハマムというほどではありませんが、そこそこの富裕層が来るハマムです。
鍵付きのロッカーとサンダルなどの用意があります。
ハマムだけではなく、しっかりスパメニューもあるので、マッサージを受けたい人にも◎
- トラディショナルハマム:100 DH
ハマム入場料+1回分のサボンベルディ+アカスリ - オリエンタルハマム:150 DH
ハマム入場料+1回分のサボンベルディ+アカスリ+バスタオル+バスローブ+アカスリ用ミトン+シャンプー&ボディソープ(手ぶらコース)
★週末は+20DH
7:00~20:30
上記の他にスパメニューなどもあるので、興味のある方はサイトをチェックしてみてください。
新市街にあるのでリアドに泊まっている方はタクシーで行くことになります。
乗車する場所にもよりますが、旧市街からは大体片道20DH程度です。
弊社5日間以上のツアーにご参加いただいた方には往復無料送迎サービスを承っております。
それ以外の方は往復100DHで送迎いたします。
夜間はタクシー料金がダブルになること
帰りはなかなかタクシーを取りづらくなること
4名様以上で行かれる方(タクシーは3名まで乗車)
上記のことから送迎サービスをご利用された方が安心なこともあります。
入浴時間の制限もありません。何時でもお迎えに伺います。
是非ご利用ください。
モロッコの乾燥した空気と強烈な日差しを常に浴びている過酷な気候の中でも、モロッコ人女性がいくつになっても肌に張りがあって美しいのは、日ごろから行っている極シンプルなケアのおかげなんですね。