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【モロッコのフェズ観光】時間がなくてもここだけは観ておきたいフェズ4つの見どころ

フェズ4つの観光名所



モロッコ王朝最古の都。フェズ旧市街。
イドリス2世によって808年に建設後、すぐに貿易の中心地として栄え続けています。

城壁で囲んだ町の中心に壮大なモスクを造り、イスラム神学校(マドラサ)が次々と建てられました。

チュニジアのカラウィンからやってきたアラブ人たちはフェズ川西側にカラウィンモスクを造り、イベリア半島からの移住者は東側にアンダルースモスクを造ってそれぞれ住みつき、やがてここを拠点に国の隅々までイスラム教が広まっていくことになります。

1000年後の現在、フェズはマラケシュと並んで世界的に有名な観光名所となっています。

今回はなかなかフェズ観光のお時間が取れないなか、ここだけは抑えておきたい4つの観光名所をご紹介いたします。

hiroko

フェズは見れはみるほどに奥行きがあり興味深いものがたくさん!本当は1日かけてじっくり観て欲しい町です。


おすすめ!

ラノーリアトラベルではフェズ1日観光ツアーをご用意しております。1日も時間がないという方には半日にアレンジすることもできますので、是非ご相談くださいね。


当時のストーリーやどんなところなのかをあらかじめ少しでも知っておくと、より興味深く観ることができますね。

1.タンネリ(なめし皮染色工場)/ Tanneries

タンネリとは?

タンネリとは、皮をなめして染める作業をしている工場のことです。

モロッコの特にフェズでは革製品が有名で、ここでは昔ながらの製法で牛、羊、ヤギ、ラクダの皮などを染め付けている様子を見学することができます。

見どころは何といっても、さまざまな色の染料と白いアンモニアの液体で満たされた多数の石器。上から見るとまるで絵の具のパレットのよう。

フェズのタンネリ
テラスから圧巻の工場見学


この白いアンモニアの液体は染料を吸収しやすくするために、皮をきれいにして柔らかくします。このプロセスには2~3日間かかります。

!注意

この白いアンモニアの液体は牛や鳩のフンなどが混ぜられているため、かなり悪臭を放ちます。入場する前に鼻にあてるミントの葉をくれますがあまり効果は期待できず、気休めでもマスクを持っていった方が無難ですね。

次に、それらは染色溶液に浸されます。
染色溶液には、赤にはケシ、青にはインディゴ、オレンジにはヘナなどの天然の着色剤が使用されます。
染色後、天日で乾かします。

天日干しします


この作業のすべてが手作業で、直射日光にさらされながら暑い真夏でも作業員たちはもくもくと働きます。どれほどの重労働なのかは素人がみても一目瞭然。

できあがった皮は他の職人に販売され、バッグ、コート、靴、スリッパなど、モロッコの有名な革製品を生産するために使用されます。
製造プロセスは手作業のみでその高品質な製品は世界中に輸出されています。

日本でもモロッコのバブーシュは人気ですね。

タンネリへの行き方・注意点

タンネリはフェズの旧市街に数か所ありますが、なんせ迷路上になっていますので、なかなかたどりつけません。

ぶらぶら歩いていてたまたま見つけられることもあるかもしれませんが、お時間のない方は公認ガイドに連れていってもらうか、歩いていれば「タンネリ?タンネリ?」と親切にも声をかけてくるモロッコ人もいます。

「ただで送ってあげるよ」と言いつつも、最終的にお金を請求してくるパターンですが、これがモロッコ,フェズのやり方なので、ここは20DHほどのチップを渡してお互い気持ちよく過ごしましょう。

こういったことが苦手であれば断って自力で探すか、安心の公認ガイドをつけることをおすすめします。

工場見学は、工場の敷地内の屋上テラスで見ることもできますが、基本は革製品が売られているお店の屋上テラスへ連れていかれることがほとんどです。

テラスの下はお土産屋さん


こういう感じで下がバブーシュやジャケットなどの革製品が売られている店内をとおり、屋上テラスへ向かいます。

見学帰りにかなり売り込みをされますが、要らないのであればしっかり断ってくださいね。
あちらも商売、全力で売りにきますから、断るほうも全力で断らないと逃げ切れません。

とはいっても日本でも人気のあるバブーシュやプフなども売られていますので、ぷらっと見ても面白いと思います。

こちらの工場見学、製品を購入しない場合は、ひとり20DHくらい請求されます。

高品質のモロッコの皮革を使ったハンドメイド雑貨。かわいいバブーシュやプフも日本で購入いただけます。

2.カラウィーン 大学/ University of Al Quaraouiyine

カラウィン大学もしくはカラウィンモスクとも呼ばれる、モロッコのフェズにある大学です。
ユネスコとギネス世界記録によると、世界最古の大学のひとつとされています。

壮大なカラウィン大学


チュニジアのカラウィンから移住してきた女性ファティマ・アル・フィフリにより9世紀に設立されました。

この大学がどのように設立されたかという話は魅力的なものです。物語はファチマ・アル・フィフリと彼女の家族がチュニジアのカラウィンからフェズに移住したときに始まります。彼女の父親は都市の商人として成功し、ファチマは結婚した。

アル・フィフリ家はモロッコで幸せな生活を送っていました。しかしながら、彼女の夫、父親と兄弟はすべて短期間で亡くなり、ファチマと彼女の妹だけを残しました。

彼らは2人の女性にかなりの遺産を残しました、そして信心深いイスラム教徒ファティマはコミュニティに還元することを決めました。

ファティマは、フェズのモスクは都市の増加する人口を収容するのに十分な大きさではないことに気づいたので、マドラサ(学校)が取り付けられた壮大なモスクを自分で作りました。西暦859年のラマダン中に建設が始まったとき、彼女は夢が実現するまで断食することを誓いました。

Morocco World News Google翻訳を利用

もともとは小さな礼拝堂であったが、10世紀初頭に壮大かつ華麗に大変身。
この建物はコルドバのウマイヤ朝様式とペルシアの要素を融合させており、中庭はスペインのアルハンブラ宮殿にある獅子のパティオを模したもので、大理石の柱に支えられた泉があります。

カラウィンモスクの中庭


モロッコとアラブ諸国からの多くの留学生が通っているこの学校では、13歳から30歳くらいの学生が高校卒業相当証書と大学相当学士号を目指して勉強しています。

イスラム教徒であることに加え、入学予定者は、クルアーンを暗記していることが求められる。また同様に文法とマーリキー派法に関する中世イスラームのテキストの暗記と、一般に古典アラビア語を使いこなせることが求められます。

男性専門の大学と誤認されがちではありますが、男女ともに入学することができます。

3.ブー イナニア マドラサ/ Medersa Bou Inania

14世紀ベルベル人の王アブー・イナーン・ファーリスによって建設されたマドラサ(イスラム神学校)。マリーン朝における代表的な建築物として知られている。彼はメクネスにも同名のマドラサを建築しています。

建物の名前である「ブー・イナーニーヤ」は国王の名前である「アブー・イナーン」より名づけられました。ブー・イナーニーヤは教育施設と礼拝堂の2つの役割を果たしていた。

美しい中庭


大理石で敷き詰められた中庭の中央にある水盤は、学生たちがお祈りの前に身を清めるために使用していました。壁面に彫刻された繊細な幾何学模様やゼリージュ(モザイクタイル)が美しくすばらしい建築です。

2階は当時の学生が宿舎として使われていた小部屋があります。

学校と宗教的集会の場の両方として構築され、現在は学校としての機能はしていませんが、依然として宗教的目的で使用されています。これは、非イスラム教徒に開かれたモロッコで数少ない宗教遺跡の1つです。


ブー・イナーニーヤ・マドラサはモロッコにおいてイスラム教信者以外の観光客が観光できる数少ない宗教施設となっています。

ブーイナニアマドラサのミナレットは緑のモザイクタイルで張られ、フェズで最も美しいミナレットのひとつ。ブージュルード門のアーチの間から見えるこのミナレットも見どころです。

4.マリーン朝の墓地/ Merenid Tombs

13~15世紀にモロッコを統治していたマリーン朝時代の王室の墓地。
フェズエルバリの北上、丘の上にその墓地はあります。

かつては大理石の見事な墓碑が並んでいましたが、現在は廃墟となり壁の一部分が残るだけの遺跡となっています。


お墓自体は見ごたえのあるものとは言えませんが、ここはフェズで一番高い場所にあるため、フェズの町の全景を見下ろすことができるのです。

お墓と言うよりは今はどちらかというと、パノラマ景色を望む展望台としての方がよく知られているかもしれませんね。


特に日没の時間帯が人気があります。
町を見下ろす絶景に加え、お祈りの時間に重なると旧市街のすべてのモスクからアザーンが聞こえてきます。
想像するだけで幻想的ですね。

町に点在する何百ものミナレットを見ることができるのも見どころのひとつです。

フェズ抑えておきたい4つの見どころ まとめ

いかがでしたでしょうか?

近年ではシャウエン人気に押されて、フェズ観光のお時間が取れない、あるいは半日程度しか時間がない!という方がほとんどです。

その他のエリアに比べると派手さがなく、地味でイマイチなイメージを持たれる方もいると思いますが、実は一番奥深い町なんですよ。

都市の構成や歴史を知るとさらに魅力いっぱいの古都で、歩けば歩くほどに興味深いものがあり、飽きることなく町歩きを楽しめるはず!

ただフェズの旧市街はご存知、世界一の大迷路だといわれているとおり、本当に迷路状になっています。ご自身たちで歩くことはもちろんできますが、その迷宮への入り口へはおそらく辿り着けないでしょう。

ガイドをつけない場合は、メインどおりをひたすら進む程度になります。

せっかくフェズに立ち寄るのであれば、公認ガイドをつけて自分では行けないエリアまで行き、フェズの大迷路をしっかり探索してください。

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HIROKO

フェズ1日ツアーのランチはカフェラノーリアを予定しています。タイミングが合えば私もお店でご挨拶させていただきまーす!!